余裕があるつもりでお稽古場へ。お着物の方が私の前を歩いていました。そういえば年配の方が新しく加わると伺っておりました。
教室に入ると…とっくにお稽古が始まっていました!
年に数回やってしまう、時間の勘違いで大遅刻。先週炉開きで夜お稽古したことでちょっと…うっかり…。
先生がお着物を着ていたので、おや?と思いました。
新しい方は85歳。お茶の先生をされていた方ですが、一旦すべておしまいにしたそうです。お道具も処分したのだとか!(もったいない。)
でも、自分の人生をふと振り返った時に、「やっぱりお茶をやめられない。」と思い、インターネットで教室を探して、「一からお勉強をやり直したい。」と思って連絡をされた、ということです。
さて、お稽古が始まりまして…。ここはワタクシの出番なのではないかな?と思いました。私は他の教室が長かったので、もし何か粗相をしても先生の顔に泥を塗ることはないかも?
ところがこの新しい方は人柄の良さが溢れ出しているような雰囲気で、私の拙さなど口を出されることもなく、お茶のお稽古を楽しんでいるのが伝わってきました。
今の先生はお金持ちで、200坪はあるようなので庭園をいつもきっちり手入れされ、手書きの襖絵のあるお稽古場で、我々はいかにも高そうなお道具を気軽に使っている状況。
新しい方は、お道具もわかる方で、「あら!こちら●●窯じゃありませんか!」とすごく楽しそう。先生も、やっとお話のわかる方が来た!とばかりに楽しそうにお道具のアレやこれやをお話しされていました。
我々弟子一同は耳をそば立てて聞き取ろうとするものの覚えることができませんでした。
そして、程々のところで…お土産の美味しそうなお菓子を置いて、「今日はそろそろ」と帰っていかれた姿にうっとり。
教室がとても良い空気になり、新しい仲間が加わったことを喜んだのでした。
「あの方は、お仕覆もツガリの部分しか触らなかったし、ゴミも懐ではなくてたもとに入れていたわよ。」
私もせめて耳で学んだこの部分は真似っこをしよう、と心に誓いました。
ここで先生のブラックお金持ちジョーク。
「私が今日選んだ着物。バッチリだったわね。色もかぶっていなかったし、…昨日の着物だと、嫌味だったわよねえ。」
一番弟子で、前日に別のお稽古を一緒に受けていた方が
「今日のはバッチリ!昨日のは…」と笑い、先生が出して来られました(笑)。手書きの柄で、素人が見ても高額だとすぐわかるようなお着物でした。
私はここで気を抜いていました。さっきお点前をしましたし、先週何度も何度も確認して、今日は平点前しかしないと確認していたのでこれで終わったものと…。なのに出てきたのが壺荘。私が御指名されました。予習してくるべきでした。紐を絡めては苦笑い。
来年こそは11月にむけてしっかり予習をしようと誓いました。